漫談、気体潤滑技術の源流から現在まで
大阪電気通信大学 昭和35年卒 矢部 寛
 1854年 Hirn の軸受け摩擦発熱の実験を端緒として、弾性接触理論、流体軸受摩擦の理論、軸受摩擦の実験、油膜圧力測定、流体軸受理論、空気軸受の実験、軸受摩擦特性、潤滑膜圧力分布解、傾斜パッド軸受、気体潤滑理論、表面吸着層による潤滑効果、流体軸受摩擦理論、真実接触面積の概念、境界潤滑モデル、短軸受理論、を経て、1959年に初めて第一回気体潤滑国際会議が開かれる歴史が紹介され、現在にいたるまでの全ての軸受と潤滑理論の要点が解説された。その上にたち、空気軸受の特徴特性と欠点をよく理解して、産業的用途とその有効範囲を考えなければならいことが力説され、現在の技術・研究状況と、近い将来の技術需要動向が紹介された。
 また、技術の発展と学問の進歩について、以下の教訓面白く述べられた。

1.
本来の流れから一歩踏み出してみよう。
2.
「面白いなー」と思ったら少し突っ込んでみよう。
3.
「面白いなー」と見抜ける感覚を養おう。
4.
新しい技術の芽に対しては、既成概念を捨ててフランクに対面しよう。たいがい、権威主義に凝り固まって地位を振り回す人間が障害だ。
5.
新しい技術に対しては、皆が対等。組織・地位や肩書きは忘れよう。
6.
本質は何かという捉え方をしよう。
7.
その技術が持つ意味をよく理解しよう。
8.
努力を厭わないようにしよう。
9.
虫歯にならないようにしよう。口の中で 500,000rpm のロータが回っている!!!
10.
一歩先の技術を考えよう。

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