会長就任挨拶

 坂戸 瑞根(S32)
 本年4月の総会において、永井前会長の後を受け、京都大学機械系工学会(京機会)の会長を仰せつかりました。
 100年を越す伝統ある京機会が第二世紀を迎えて時代の要請に応えるべく新体制に組織を変革して、5年が経過しました。過去5年にわたり歴代の会長、役員の皆様のご尽力により、各種活動の基盤となる本部、全国4支部体制が整備されました。一方運営過程において生じた各種課題に対しても役員各位の衆知を集めて改善策が策定、実施された結果、大きな成果を得ることが出来ました。
 一方過去5年を振り返ったとき、京機会が会員諸兄、特に若い会員の十分なご理解を得られているとは言い難い面があり、本年度はこの点の改善に注力したいと考えております。京機会会員を構成する技術者、研究者は当然として、管理者、経営者においてはより幅広い識見と、社会の変化に対応し、さらには予知する能力が必要とされます。これらの能力は在学中の教育や卒業後の文献、実験研究によって得られるのではなく継続的な自己啓発によらざるを得ません。母校の先生方や、同窓の先輩、同輩、後輩との様々な交流が自己啓発の有力な助けになることを確信しております。
 新体制発足後、これらの観点から本部の春季総会、秋季大会(見学会付き)に加えて各支部で異業種交流会、リカレント教育、産学懇話会などが開催されております。これらの活動には大学の先生の献身的なご協力と各支部役員の大変なご尽力のもと、参加者から大変な好評を頂いております。特に関西支部は大学所在地であるために先生方のご協力を得やすいこともあり、支部行事にとどめるのは惜しい大きな企画が実施されています。このような状況から昨年来、E-mailにより全国の会員諸兄の参加を呼びかけていますので、是非皆様の一層のご出席を期待しております。なお、本部、各支部の行事予定は京機会のホームページで最新情報をご覧頂けるようになっています。
 本年度は特に若手会員諸兄の啓発、活性化の一助になればとの趣旨から各支部に「若手会員活性化基金」をお渡ししています。この基金の趣旨に則り業務多忙で足が遠のきがちな若手会員の京機会への参加が増えることを期待しています。また1学年120人を越す機械系工学科学生に対して、卒業後若いときから自己研鑽の場として京機会活動に参加して貰いやすくするべく、「京機学生会」を組織したいと考えています。京機会からの一部財政援助によりながら、学生の自主運営により学生間の交流、企業へのアプローチなどの活動を計画しています。
 会員数約6,000人に及ぶ京機会を活性化することは会員相互の連携が不可欠であります。現在、卒年単位の地区評議員、代表評議員をキーマンとしてお願いしていますので、同窓会開催などを通じてネットワーク構築すると共に評議員会などを通じて京機会運営に対しご提案とご協力を是非お願いしたいと思います。また京機会は会員個人の自己研鑽の場であるのは間違い有りませんが、会員の相当数が企業に所属していることも事実であります。会員数の多い企業のキーマンとして、評議員をお願いしている方々にも是非積極的なご参画をお願いいたします。

 本年度運営方針としては上記趣旨に基づいて下記の5点を掲げて鋭意努力をしたいと考えております。
1.
全国4支部の活動に対する支援強化
情報交換、支部間交流の活発化
2.
若手会員活性化の具体策の立案と推進
若手会員の意識調査、魅力付け策の検討と試行
3.
会費納入率向上策の立案と実施
目標納入率50%(3年以内)
4.
機械系教室第二世紀事業との関連、整理、明文化
5.
事務局業務の合理化と支部支援業務の整備

 繰り返しになりますが、会員各位の研鑽の場と、人的ネットワークとしての京機会の発展に、会員の皆様のより一層のご協力をお願いいたします