京都大学機械系工学教室第二世紀記念事業

京都大学機械系工学教室第二世紀記念事業会
実行委員会委員長 駒井謙治郎

駒井謙治郎 氏
  京都大学工学部機械工学科は明治30年(1897年)に土木工学科と並んで京都大学の最初の学科として設立され、平成9年にめでたく機械系工学教室は創立百周年を迎えました。この間、昭和35年に精密工学科、昭和37年に機械工学第二学科が開設され、さらに、機械工学第二学科は昭和50年に物理工学科に改組されました。さらに、平成六年度の大学院重点化改組によって、学部は物理工学科としてその中心となり、大学院は機械工学専攻、機械物理工学専攻、精密工学専攻、ならびにエネルギー応用工学専攻の諸教室に発展いたしました。引き続いての改組・拡充により、機械系工学教室に関連してエネルギー科学研究科にエネルギー変換科学専攻、情報学研究科システム科学専攻に人間機械共生系講座が発足いたしました。現在では、これらの機械系工学関連教室のほかにも関連研究所等にスタッフを擁し、総合かつ複合的な教育・研究組織を構成しております。これら機械系工学関連教室では、これまでに6600余名にのぼる学部卒業生と2200名に及ぶ修士課程修了者、150名を越す博士課程修了者を送り出して広く産業界に寄与いたしますとともに、学術的にも国内・国外の機械工学の分野での研究活動をリードする教室たるべく不断の努力を続けて参りました。

 工業のもの作りの中心としての機械工学は一層の重要性を増しており、そのためには、当機械系関連教室が、創立百周年を経て、来るべき第二世紀に向かっての先進的な工業技術を支える基礎研究の場として、そして、独創的な学理や技術を自ら創り出すことのできる有為な人材を育成する教育の拠点として、充分に機能できるようにすることが大切であると考えます。21世紀を目前に控え、社会構造そのものが一大変革期を経験しつつあり、社会の一員である大学も大きな試練の時期を迎えております。
私どもは今後とも、当機械関連教室が、我が国の機械工学分野における中核拠点として活動し、また、諸外国の大学との競争の場の中で、若者に魅力ある教育の場を提供し、社会や海外に開かれた大学院大学の機能を果 たすことができるようにするため、教室が創立百周年を迎え第二世紀に入る機会を捕らえて、下記のような機械系工学関連教室第二世紀記念事業を行うことといたしました。この事業の柱は、世界基準の人材育成と、社会と機械系関連教室との連携強化による産学間の交流促進にあり、いずれも、社会に対する国立大学の貢献責任に応えうるものと考えております。

平成12年3月
敬具



1.大学院博士後期課程在学生の世界基準達成とその自立支援のための
 奨学金の支給
2.産業界と機械系工学関連教室の交流促進
 ・情報ネットワークの構築・運用
 ・産学協同研究に関する教室情報の公開
 ・社会人のリカレント教育の充実のための経費、
  インターンシップ等学生の実学経験の経費の一部負担
3.記念式典の挙行(平成12年7月13日(木)・14日(金)
4.記念誌の発刊